続 靴職人が残したもの
2008年 08月 12日
ジャーミンストリートのNew&Lingwoodと言う老舗のshopで1足の靴を購入しました。
その靴は、タウン用ではない本物の乗馬靴で、若干高めのヒールでそこに馬を蹴るときに使うスパーを差し込む穴があるものでした。(革質とスタイルは抜群の靴でポールセンスコーンではないことは確かでした)
せっかくなので、New&lingwoodのスタッフにスパーを扱っている馬具屋を紹介してもらいました。
そこは、ギデンという老舗の馬具屋で、今では日本にも紹介されていますのでご存知の方も多いと思います。
そこで購入した靴を見せ、スパーを購入しその靴ついていろいろと聞いてみると、とあるBootsメーカーを紹介してくれました。
それがschnieder Bootsです。(世界でもこの看板を持っているのは私だけだと思います)
そこは何もない建物の2階にありました。
2階に上がる階段の踊り場のディスプレーケースの中にこの鉄製の重い看板が飾られていました。
schniederは完全な乗馬用のBootsメーカーで、タウンでの使用を前提に考えてはいないのでソールにも滑り止めのラバーはありません。
スタイルの種類も多くはなく、膝丈や腿までの本格的なものが多かったです。
私物ですが、この様なタイトなフィッティングのライディングboots
これを買ったときも、馬をもっているの?と聞かれたのを今でもよく覚えています。
実はschniederを発見する以前からここのジョドファーbootsを持っていましたが、ネームはポールセンスコーンでした。
ここの、ショートタイプのbootsはフルライン持っていますが実は試作でネイビー色のタイプを作ったこともあり、当時いろいろなカラーで別注していました。(黒、タン、チェスナッツ、ネイビー)
やはり、日本人の顧客はいないとのことで当店で販売していましたが、知っている方はいませんでした。
店主のシュナイダーさんはオーストリア系のイギリス人でとても大柄の紳士でした。
シュナイダーの靴についていろいろとお聞きしているとジョンロブのオーダーブーツもschnieder
で作っていると言っていました。
そう言われてみると、当時大阪梅田のエルメスでジョドファーは見たことがありました。
schniederは乗馬で馬を蹴るとき足を守る為に、使用する革を大変厚くし、鐙に足を入れたときの重心を考えた設定になっていると思います。
そのため、とてもシャープなスタイルと最高のクオリティーを持つ最高のbootsメーカーです。
当時、東京のunionworksさんに、当店のお客さんがリペアに出した時に、店主の中川さん(私はまだお会いしたことはありません)がどこの靴なのか、あとクオリティーに関心されていたそうです。
その後、友人でもあるグリフィンインターナショナルのデビットさんにこの存在を教えたところ是非、日本に紹介しようと言う話になりそれからはご存知の方も多くなったと思います。
ただし、私からの条件で某大手のショップ等には紹介しないとの条件を付けさせていただきました。
興味のある方は是非ご相談ください。
次回は、200年前のロシアントナカイの革で作られた幻の靴について書きたいと思います。
ご興味があれば倉敷店までご連絡下さい。