スタッフによる日記です。


by timesmarket

素材感。 ~その3~

 インディアンによって多くの素材に刻み込まれた紋様や図形には、
彼らの宇宙・世界観そして神話がその中に存在している。

自らの世界観・宇宙観を身の回りのものに刻み込んでゆく行為は、
霊的な力を呼び込むことを意味しており、
またそれは彼らインディアンが
実際に様々な霊的な声を聴くことが出来たのではと感させられる。

そして彼らの言葉はまるで命を持っているかのように、
そして至高のの芸術作品のように触れたものに対して新たな命息を吹き込んでゆく。
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と、詩的な始まりですが、
今回御紹介はネイティブテキスタイル!

実は筆者、
数年前までネイティブな柄とかアクセサリーとかって、
そんなに得意じゃなかったんです。

それも踏まえて、
今回はそういった方も食わず嫌いを解消していただきたい!
もちろん筆者いつの間にか大好物になっております・・・

それではいってみましょう!

STEVENSON OVERALL Co.
“Chief”
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ヨコ糸に5番手の極太スラブ糸を使用した立体感のある織が特徴の、
オリジナルネイティブパターンジャガード生地で製作したイージーショートパンツ!
綿素材独特の柔らかさと、
ジャガードのソフトな肌触りが夏にうってつけ!

トップボタンを含め、
ボタンフライは全てコンチョボタンを使用!

ベルトの内側にドローコードが付いており、
ベルトレスでも履けるイージーパンツの仕様は外からはわからないので、
様々なシーンでお使いいただけます!

シルエットは少しゆったりで、
でいながら見た目がダボ付かず、
コーディネートの幅も広い一本!

コーデの幅の広さと言えば、
このカラーリングも絶妙!

ネイティブラグやブランケットは
大概ポップな色目が多い印象の方が大半だと思いますが、
こちらは柄自体をジャガードで表現し、
色味はトーンを落としてあるのでうるさくありません!
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ディティールはシンプルに、
色味も抑え、
ジャガードと言う生地技術と、
ネイティブアメリカンの歴史を感じさせる大人が穿くべき柄ショーツ!


今回は、
一口にネイティブ柄といっても部族によりさまざまなものが存在しますので、
一番メジャーではないかと思われる、
ナバホラグについて少し触れてみようと思います。
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ナバホの織物の歴史は1600年代が起源とされています。
この時期のほとんどのブランケットは商業用ではなく、
彼ら自身のために織られていました。

初期のナバホブランケットは
白とダークブラウンのストライプのみの単純な柄でしたが、
スペイン人によってインディゴなどの植物染料が輸入され、
深いブルーが使われるようになりました。

ナバホの織り手は、
そのインディゴと元々使っていた黄色の染料を混ぜ合わせて緑の染料を作り、
1700年代後半
“ベーズ”と呼ばれる赤く染められたウールの生地から深い赤を入手することになります。

ナバホの織り手はそのベーズの生地を解き、
糸を再び紡ぎ直し、

そして出来あがった繊維はRAVELED RED(ラヴェルドレッド)と呼ばれるようになり、
現在でもその赤はナバホラグの象徴的な色となっています。




1800年代に入ると、
ナバホ族の経済は、農業、狩猟、収集、取引、襲撃から成り立っていました。

テキサス州がまだメキシコ領テキサス共和国だった1846年、
メキシコアメリカ戦争が勃発。

1848年に戦争は終結しアメリカは戦争の戦利品としてネイティブアメリカンの地Southwest
(今のカリフォルニア、ネバダ、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコ、ワイオミング、コロラド)を買収します。

そして1863年、
アメリカ政府は全てのネイティブ民族を鎮圧し、
ナバホ族は広く散らばることになります。

アメリカ政府は彼らの羊を虐殺し家や畑を破壊して、
およそ9000人のネイティブ民族を捕らえます。

その9000人のネイティブ民族に強制労働させるため、
アリゾナから東ニューメキシコボスクレトンドまで
300マイル(約480km )を強制的に歩かせました。

これをロングウォークといい、
険しい山道などを強制的に歩かせ1000人余りの人々が飢えや寒さで死にました。

ナバホの歴史の中で、この出来事は経済と文化の大きな転換点となります。
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羊の群れを虐殺されたことでナバホは高品質なブランケットを作る能力を失います。

損失を補償するためにアメリカ軍は
予め染めてあるサクソニーウールとジャーマンタウンウールや
ニューメキシコヒスパニック系の織物を差し出し、
今までのスペインチュロス羊の代わりにアメリカのメリノ羊を提供します。

そしてアングロスタイルの衣類を提供して文明化を進めようと試みます。

このメリノ羊の毛は短くウエーブしているので
ブランケットを作るのに適しませんでしたが、
それでもナバホ族は試行錯誤して品質を高めていきます。


その後1868年にナバホ拘留者は祖国アリゾナに戻ることが許されました。

この頃、ナバホ織物は最も劇的な変化を遂げます。

織り手の多くは赤やオレンジ黄色などの明るい染料のウールを使い
非常に精巧なデザインのブランケットを織りました。

このブランケットは
ヒスパニック系のSaltillo(サルティーヨ)スタイルからインスピレーションを得た物でした。

視覚的な複雑さを高めるために色を対比させ小さなジグザグのパターンを作り、
このパターンはEyedazzler(アイダズラー)と呼ばれるようになります。

この期間のもう一つの大きな変化は、
商業用編み糸を頻繁に使用したことです。
高性能のマシンは細い高密度で均一なウールを作ることができました。

次にナバホの織り手は化学色の赤、オレンジ、黄色、
茶と白のストライプのブランケットを織り始めます。

パターンは傾斜するバーやジグザグのストライプの列などの追加でより精巧になっていきます。

これらの年代に織られた織物は総合して
Transitional(トランシショナル)と呼ばれるようになります。

この織り方は1880~1890年代に全盛期を迎えます。
ロングウォークの後、
ナバホ族は祖国に再定住し、
馬の使用はナバホの文化と経済の基盤となりました。

その結果、サドルブランケットを織ることは
このTransitionalの時期に開花します。

その後、大恐慌の時代も乗り越え、
トレーダーがブランケットからラグに着目すると、
更に進化を遂げ、
その当時のラグはヴィンテージ市場で恐ろしい値段をたたき出しています!
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長くなりそうだったので(充分長い・・・)後半端折りましたが、
時代に合わせ進化しながら、
常に魂を込め紡ぎ出されてきた芸術品は、
歴史的な価値以上の存在感を醸し出します。

なかなか現物を手に取ることは難しいですが、
是非一度ネイティブブランケットやラグ、
ジュエリーなんかも調べてみてはいかがでしょう?

それにより巷を賑わすネイティブネタの本物度合いの強弱が
おのずと見えてくるのではないでしょうか?


是非こちらのショーツの本物度合いに触れてみて下さい☆
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by timesmarket | 2015-05-18 18:49 | メンズ | Comments(0)